BTCチャート
MEXC チャートより

急落の現場──チャートが語る“転換点”
2025年10月11日、BTC/USDTは前日高値の122,469ドルから109,682ドルまで急落し、24時間で約10%の下落を記録。
短期移動平均線(MA5・MA10)が中期線(MA20)を下抜け、デッドクロスが発生。RSIは70台から急落し、過熱感の解消とともに売り圧力の急増が見られました。OBV(On-Balance Volume)も減少し、出来高を伴った売り主導の展開が確認できます。
このようなテクニカル指標の連動は、単なる価格変動ではなく「市場心理の転換点」を示す重要な兆候です。

ファンダメンタルズの衝撃──米中摩擦と関税リスク
今回の急落の背景には、トランプ大統領による中国製品への100%関税検討という発言があります。中国がレアアースの輸出規制を強化する姿勢を見せたことに対し、米国が強硬な対抗措置を示唆。
この発言は、グローバル市場に「供給網の不安定化」というリスクをもたらし、リスク資産である仮想通貨にも波及。特にETF経由で流入していた機関投資家資金が一時的に引き上げられ、BTCは流動性の低下とともに急落。
金(XAU/USD)が安全資産として買われる一方、BTCは“デジタルゴールド”としての信頼性を試される局面となりました。
初心者への視点──“価格”の裏にある構造を読む
価格が下がったときこそ、チャートの裏にある「構造」を読む力が求められます。
- なぜMA20を割ったのか
- なぜOBVが急減したのか
- なぜETF関連銘柄(COIN、RIOT、MARAなど)が同時に下落したのか
これらの問いに答えることで、単なる“値動き”ではなく“市場の物語”を理解することができます。
初心者の方には、「テクニカル指標の意味」と「ファンダメンタルズの影響」をセットで捉える習慣をおすすめします。
次のフェーズ──反発か、さらなる調整か
今回の急落が短期的な調整か、中期的なトレンド転換かを見極めるには:
– 米中関係の今後の展開(関税発動の有無) – ETF流入額の推移(特にBlackRock・Fidelity系)
– 米国金利とドルインデックス(DXY)の動向
– BTCのサポートライン(109,000〜110,000ドル)の維持力
これらを複合的に分析することで、冷静な判断が可能になります。今は“動く”よりも“読む”時間。市場の声に耳を傾けるフェーズです。
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