1ドルの壁:米国株が上場廃止に追い込まれる理由と投資家への影響

株式投資(日本株 外国株)

1ドル未満の株価が意味するもの

米国株式市場では、株価が1ドルを下回ることは単なる価格の問題ではありません。

それは、企業の信頼性や市場での評価が揺らいでいることを示す“警告サイン”です。

特にナスダック市場では、終値が30営業日連続で1ドル未満になると、企業は「不適合通知(Deficiency Notice)」を受け取ります。

これは、上場維持の条件を満たしていないことを意味し、企業は改善を求められることになります。

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上場廃止のプロセスとルール

不適合通知を受けた企業には、通常180日間の猶予期間が与えられます。

この間に株価を10営業日連続で1ドル以上に戻すことで、上場廃止を回避できます。

しかし、株式併合(リバース・スプリット)によって形式的に株価を引き上げる企業も多く、これに対しては市場の目も厳しくなっています。

さらに、2025年以降は、株価が0.10ドル未満で10営業日続いた場合、即時上場廃止となる可能性もあり、制度はより厳格化されています。

低位株が直面した現実

EVスタートアップ企業「マレン・オートモーティブ」は、株価低迷によりナスダックから上場廃止通知を受けました。

同社は株式併合を繰り返しながらも、1ドル以上の水準を維持できず、公聴会を要請する事態に。

結果として、店頭市場(OTC)へ移行することになり、流動性の低下や情報開示の制限により、投資家にとっては売却も困難な状況となりました。

このようなケースは、低位株に投資する際のリスクを象徴しています。

投資家への示唆と注意点

低位株は、短期的な反発を狙う投機対象として注目されることがありますが、長期投資とは明確に分けて考えるべきです。

上場廃止は企業の消滅を意味するわけではありませんが、取引環境や情報の透明性が大きく変わるため、投資家にとっては重大な影響があります。

株価だけでなく、企業の財務状況、事業の健全性、市場の評価などを総合的に見て判断することが、今後ますます重要になるでしょう。

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