AIブーム、量子コンピュータ関連から電力需要が気になります。
現状・背景電力需要の急拡大リスク米国の電力消費は、EIA(米国エネルギー情報局)の最新見通しで、2025年・2026年に記録的な高水準へ拡大すると予測されています。
ガートナー特に データセンター(AIセンター含む)が大きな需要源になっており、S&P Globalは2025年時点でデータセンターのグリッド電力需要が前年より22%増加すると見積もっています。
S&P Globalまた、Deloitteなどによると、EV(電気自動車)やヒートポンプなど「電化」の加速も中長期的な電力需要のドライバー。
発電能力とインフラの課題
送電網(グリッド)の整備が追いついていないという指摘があります。
特に需要が急増する地域(データセンター集中地域など)では、送電能力や信頼性が懸念されている。
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一方で、EIAの予測では、2025年には発電量が前年より 年率2.3% 増える見込みで、これは電力需要の伸びをある程度受け止めうる水準と見られています。
再生可能エネルギー(再エネ)の強い成長
EIAは特に 太陽光の発電容量を大幅に増やす計画を示しており、2025年に32 GWの太陽光新設備を想定。
U.S. エネルギー情報局+1
これにより、2025年の太陽光発電は前年比で大きく増加(EIAは33%増の見通し)と予測しています。
U.S. エネルギー情報局蓄電(バッテリー)容量も強化されており、新規ストレージ事業が再エネの不安定性を和らげる鍵になると想定されている。
publicpower.org
さらに、シンクタンク Ember の分析によれば、2025年には再エネ(特に風力・太陽光)が電力ミックスでますます重要になるという見通しがあります。
また、オルタナによる報告では、2024年には米国で再エネ発電が石炭を初めて上回った、というデータもあります。
エネルギー会社(電力会社)は「伸びるか」/「リスクありか」
伸びる可能性は高い:
電力需要の拡大(特に商業・産業分野)と再エネの強化が両輪で進むため、電力供給業界(発電、蓄電、送電など)には成長機会があります。
データセンター需要やグリッド投資は大きなビジネスドライバーです。
一方でリスクも無視できない:
送電網のインフラボトルネックが成長を阻む可能性があります。新規発電や再エネ設備の建設・接続にはコスト・時間がかかる。
規制リスクや地元住民の反対(再エネ設置など)という課題も既に指摘されています。
自然エネルギー(再生可能エネルギー)の見通し
非常に強い成長トレンド:
再エネ割合は今後さらに上がる見込み。
特に太陽光が主役と予測されています。
技術・コスト面の優位性:太陽光・風力のコストは下がり続けており、これらが発電量成長を牽引しています。
グリッドとの融合:
蓄電技術(大規模バッテリー)との併用が進むことで、再エネの出力変動をグリッドへ安定的に取り込める可能性が高い。
脱炭素政策との整合性:
米国内でも政策的な支援(税制優遇、補助など)が続いており、長期では再エネシフトが進みやすい土壌がある。
総合的な結論(見通し)
電力不足か?
現時点で「即時の大規模な電力不足」が全国的に起きている、とは断言しづらいですが、地域や需給ピーク時には リスクはかなり高まっている。
特にデータセンター集中地域やピーク需給時には、供給信頼性・送電網が圧迫される可能性があります。
エネルギー会社にとっては大きな成長機会:
発電(特に太陽光)、蓄電、送電網強化の分野で投資機会が豊富。
これらに積極的に関わる電力企業は有望。
自然エネルギー(再エネ)は主役になりつつある:
再エネが電力ミックスでますます重要な位置を占め、長期の成長ドライバーになる。
政策支援・技術進歩ともに追い風。
具体的な米国銘柄は次回へ

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